kitiku32009-12-18

今まで更新をサボっていました。すいませんでした。反省しています。なんでもします。
とりあえず、もしこのブログの更新を心待ちにして毎日股を濡らしていた20代前半の女子がいらしたら、
Twitterでほとんど毎日のように音楽のことは書いてますので、そちらでいくらでもフォロープリーズ



で、年の瀬も迫っているので、一応の意思表示と音楽ブログをやっているというステータスを勝ち取るための年間ベスト大発表。


今年、自分にとって音楽界で最も象徴的だった動きは、もともと優秀なSSWだったLuke Templeが新たにフリーフォーク色の色濃いバンド、Here We Go Magicを結成しアルバムリリースしたことでしょうか。
どのバンドが重要であるかのコンセンサスが極端にえられなくなっていった」時代においても、ある程度の舵取りがとられているといいますか。
来年リリースの音源の話をすると銭ゲバ扱いされそうで怖いんですが、Yeasayerというバンドの次回作は驚くほどアニマル・コレクティブだったりして、
まあそこら辺も含めて時代の空気と言っちゃえばそれまでなんですが、僕はもうそういうシーンには半分飽きちゃって、
そういうのを聴いている方々がコンサバ呼ばわりしてバカにしそうな、職人芸冴えわたるポップ職人の作品の多くに心揺り動かされた一年でした。


あとは今のうちに書いておくと、今年は再発作品のレベルが全体的に高くて正直な話、新譜より楽しかったです。


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勿体ぶるために今年は20位から発表。
こういうのを気にする人もいると思うので一応書きますが、現時点で2009年リリースのアルバムは352枚聴いております(iTunes調べ)
当然、追えてないのなんていくらでもありますわな。
とりあえず11位〜20位まで。


(アーティスト名/アルバム名)




20.Nouvelle Vague/3


これまでも数々のニューウェーヴ名曲を高品質のボッサ化してきたゼロ年代を代表するカバーユニット。
今回はアメリカーナ的作風も取り入れ、また原曲を歌ったご本人(マーティン・ゴアetc...)にも再びマイクを握らせるなど、
いくつかの制限を解除したことで新境地を開拓。
ボートラ扱いのライブ音源「Girl U Want」(もちろん原曲はDEVO)の高速ロッケンカバー等々、職人芸は今回も冴えわたっている。
国内盤ではなぜかユニコーンの「すばらしい日々」もカバー(爆笑トラックとかではないので注意)




19.Busdriver/Jhelli Beam



(この作品にも参加している)Daedelusらとのこの曲が印象的な弾丸ラッパーの新譜。
今作でも豪華客演の甲斐あって、
トルコ行進曲」フィーチャーなダサ一歩手前な曲も含めてバリエーション豊かな曲の数々。
ヒップホップとしてはJay-Zの今年出たアルバムとかのほうが数段優れているような気もしないでもないが、
ロック脳なのでこういうのが好きなんです。ゴメンナサイ。




18.Franz Ferdinand/Tonight


個人的にはこのアルバムとPeter Bjorn And John『Living Thing』が今年の過小評価二傑。
(ちなみに過大評価オブザイヤーはThe XX)
過去二作に収録されたシングル曲に比べてキャッチーさは後退したが、
渋くタイトな演奏と雰囲気程度に導入されたエレクトロな音色のおかげで飽きない作りになっているというか。
まあ、裏を全体的に返せば地味ということなんだろうが、
華やかな音ばかり持て囃される時代に逆行しようという心意気は評価すべきかと。




17.Hercules And Love Affair/Sidetracked


自身のルーツを明確にアピールしたゲイ・ディスコ集
今年はMIX CDも結構聴いたけど、自分が聴いた範囲ではこれが一番自宅でダンス度が高かったかと。
次点はOptimoR&S音源をMIXした『In Order To Edit』
R&Sの復活・再評価はエレクトラグライド以上に個人的には重要な出来事でした。いや、まだ足りない。




16.The Whitest Boy Alive/Rules



Kings of Convenienceメガネ担当が数年前から続けているミニマルロック。
洗練とか流麗とかそういった具合ですが、ツボも抑えたリズミカルで骨太の演奏もまた良し。
個人的にはKOCよりコッチが来日してほしいです。これも地味枠




15.Cornershop/Judy Sucks A Lemon for Breakfast


まさかの復活を(少なくとも日本ではビックリするほど)ひっそり果たしたコーナーショップ。
そして、インチキラーガロックはその方向性をまるで変えてはいなかった。
いや、実験的といえば実験的だった前作(リアルタイムで好きだったなぁ…)に比べればだいぶロック回帰しているといえばしているような。
16分強あるラストの「The Turned on Truth (the Truth is Turned on)」は60年代後半のストーンズの長尺曲に通じる、メロウすぎるズボズボサイケ。




14.Elizabeth & The Catapult/Taller Children


タワレコ大プッシュのおかげで大ヒット!という話をまるで聴かなかったのは少し残念ですが、
ベスト10のくだりで更に声を大にしてアピールしたい「クラシックロックの復権」の一端を担った重要作。
キャッチーな一曲目以降も声以外はまるで別バンドのような、器用すぎる良曲の連発。
自分で素晴らしいメロディーラインを書けてしまうという点だけで、このバンドのElizabeth Abby Lynn Zimanとイナラ・ジョージは差がついちゃってるなぁ。
あと、amazonでは(恐らくオジサマ達に)完全に新人扱いされてますが、
入手やや困難なEPが3年前に出ていて、ジャケが可愛いので再発希望。




13.St. Vincent/Actor



まさしく4AD!な音+顔に感動してしまった。これからも頑張って暗い音楽を暗い声でたくさん作ってくれ。
2ちゃんだかどっかで「プリンスの『パレード』を連想した」という書き込みを見かけたが、
それは今作にも参加し、St. Vincent自身が大ファンでもあるPattern Is Movementからの影響が色濃さそう。
Pattern Is Movementは本当に素晴らしい。近年最高の変拍子ポップバンドの一つ(且つ、近年最高のブ男ユニットの一つでもある)





12.Loney, Dear/Dear John



前作は朗らかなフォーク宅録をしていたオジサンが、今回はダサいデザインのジャケのとおりエレクトロニクスを大胆導入。
結果としてとてもRadioheadっぽくなったが、スウェーデンというお国柄に反して洗練されきらない、
いなたさすぎるセンスがニッチポップマニアの心を捉えたのであった。
一曲目『Airport Surroundings』は年間ベストトラックに挙げようか迷うほどの3分ポップの名曲。
せっかく長々と書かれた文章をここまで読んでくれたなら、騙されたと思ってこの曲も聴こう。



PVは今さっき初めて見たんだけど、ただ車を運転して家に帰るだけって。衝撃的すぎるな。一生売れねえわ。





11.Madeleine Peyroux/Bare Bones



ビリー・ホリデイ~ジョニ・ミッチェルの正統後継者。
この人はただ歌って吹き込むだけで年間ベストに必然的に入るべきレベル。格が違う。気品が違う。我々は平伏すしかない。
いつか今年のノラ・ジョーンズみたいな路線にも挑戦してほしいけど、そういうのは興味ないのかな。
今作ではウォルター・ベッカーも参加。