ずいぶん更新を怠っているあいだに童貞であることが暴露されたり(恥ずかしいからやめてよね?)色々ありましたが、気づけば各所で年間ベストを挙げて悦に浸る時期に突入してしまってました。
あまり求められていないのは重々承知なうえで、僕は僕なりにトップ10を発表して今年を総括しようと思います。
ちなみに今年リリースのアルバムで僕が聴いたのは130枚程度。重要作の見落としは自覚してるだけでも結構あるんですが、そこは目をつむってください。













1.Max Tundra『Parallax Error Beheads You』


2.Of Montreal『Skeletal Lamping』


3.Sparks『Exotic Creatures Of The Deep』


4.She & Him『Volume One』
5.ウリチパン郡『ジャイアント・クラブ』
6.The Ditty Bops『Summer Rains』
7.Metronomy『Nights Out』
8.No Kids『Come into my house』
9.Hercules and Love Affair『Hercules and Love Affair』
10.Crystal CastlesCrystal Castles



Perfumeの歴史的ブレイクの例を持ち出すまでもなく、物凄く語義を拡大解釈したうえでの「シンセ・ポップ」が大充実していた一年だと思います(上記10作のうち8作が該当)。00年代初頭の複雑さを競い合うIDMの小難しいインテリ合戦はいよいよ終わりを告げ、インスタントな快楽性のなかにどこまで知性を食い込ませられるのか、その一点にセンスが問われるシーンに完全移行を果たしたのでしょう。
そうなってくると、作品中でどこまでオリジナリティを発露できるかが、そのままイコールで作品の面白さに繋がってくると思うんですが、そういう意味で上位三作は、仮にクオリティーを度外視したとしても圧倒的に唯一無二。特許申請も可能なほど個性的だったかと思います(というか、単に僕がかねてから好きだっただけですが)ほかにはNeon Neonやみんな大好きMGMTも実によかった(PVも最高。MGMTはダン・トレイシーとコラボする予定らしい!超楽しみ!)


一方で、『JUNO』の例を持ち出すまでもなく、今年はビートリーだったりフォーキーだったりする作品の当たり年でもありましたね。She & Himのいなたさも格別でしたが、(文脈がまったく見当はずれなのは重々承知のうえで)頼むからDitty Bopsは日本でも人気出てほしいです。
そういう路線だとJeremy Jay『A Place Where We Can Go』もいい作品だったし、これら両方のシーンにアピールする作品を今年それぞれリリースしたイナラ・ジョージはやっぱり才女というしかないというか(どちらも作曲能力に突き抜けたものを感じられないのが玉に瑕ですが…イナラのベストワークはやっぱり『君とボクの虹色の世界』サントラになっちゃうなぁ。あれは歌ってるだけなんだろうけど)


偉そうに御託を述べても、結局のところ下半期に僕はMax TundraとOf Montreal以外の音楽をほとんど聴いていなかったので何も説得力ないんですが、まあいいから聴けって。
年間100曲ペースで働きまくってるヤスタカより、「スシを食べたりしながら気が向いたら作業するのがライフスタイルさ」「Dominoは他に売れまくってる連中がいるから、僕は6年に1枚のペースでOK,OK」と嘯きながら、誰にも真似できない緻密な音楽にどうしようもなくナードな歌詞をのせて、ひとつひとつ手作業でラベルを貼ってスープ缶仕様で売り捌くベンのほうが、どう考えても男前だし支持するしかないでしょう!ベン!ベン!ベン!


作品評は時間ができたら書くとして、次点は先日のUNITでのライブも最高にやかましかったBoris『Smile』、同じくライブの評判もあって今年大きく飛躍したneco眠る『engawa boys pentatonic punk』と、にせんねんもんだい『デスティネイション・トーキョー』の邦楽三枚を挙げておきます。
Times New VikingやVivian Girlsといったパンク新世代なバンドも先行きの明るい良作を作ってくれました。狂うクルーや赤い疑惑のアルバムはまだ未チェックなのできちんと購入しとこうと思います。他には『JUNO』と『HOT FUZZ』のサントラもよく聴ききました。


ガッカリ賞はNotwist『The Devil, You + Me』(吉田豪さんは年間ベストに挙げてましたね。頭が良くなりすぎちゃって小さくまとまったのが寂しかった)とThe Aluminum Group『Little Happyness』(作曲能力、枯れちゃったのかなぁ…)。大好きなマルクマスとジェニー・ルイスもやや肩透かし。
一部で評価のすごぶる高いFleet Foxesのよさはサッパリわかりませんでした。なんか、隙間産業ってかんじでイヤじゃないですか?とにかくキモい。