Jackie-O Motherfucker@o-nestに行ってきました。nestの受付さんの顔もやっと覚えてきました。人の顔を覚えるのは本当に苦手で、映画でもシナリオやシーンは記憶していてもキャストの顔や名前は殆ど頭に残らないし、日常生活でも顔と名前が咄嗟に出てこないし、そのせいで話しかける自信を失い、仲良くなる機会を何度も失っております。マイライフ。



Vampillia with ツジコノリコ

SULCULTUREで観て以来、二度目。相変わらずのゲテモノ。たぶんセットリストは前回と一緒。可愛いバラードを歌い上げて早々と退場するツジコノリコ。ゲテモノ揃いのなかで全く違和感のないツジコノリコ(の顔)。脇でバイオリンを弾いてるマスクした男の人は、外すと音大の優等生にしか見えないのを僕は知っている(前回、帰り際に素顔を目撃したから)。
そんなゲテモノカオティックハードコアも、東京のインテリぶったnestの客層には受けが悪いように見えた。なんでだろうなー。フロアに唾を吐くのが気に入らないんだろうか。ハイテンションな人間は受け入れがたいんだろうか。ノコギリ演奏のコワモテさんは、先ごろ引退された西武の石井貴にそっくりであることに気付く。コワモテは一日にして成らず、が持論なのでどういった人生を歩んできたのか非常に気になります。
リーダーっぽいVo.の人は、メタルを聴いて苦境を切り抜けたイジメられっ子にしか見えず、こちらにもまた共感。
音のほうは激しい轟音のなかにポルカとかマリアッチとかタンゴとか、ああいう気の抜けた旋律が挟み込まれるのが印象的で、個人的にはSystem Of A DownとかCamper Van Beethovenを連想してます。つまりは最高ってこと。



ジム・オルーク vs Merzbow

よくわかんない機材のツマミをいじりまくるジム・オルークと、卓に座ったり立ち上がったりしてよくわかんない機材をいじりまくる秋田昌美。この組み合わせで鳴るのはもちろん一点の曇りもないノイズ。素晴らしかった。
ただ延々と軋みとか金属音が鳴るだけなんだけど、現代音楽のアウトサイダー路線を突っ走る二人なだけに、音の選び方や出すタイミングが本当に巧みなのです。結局、ノイズってハウスやフリージャズみたいなもんで、音色やフレーズをいつ出すかってことがポイントで、ときおり四つ打ちリズムやメロディが顔を覗かすと(といっても、ノイズの場合はずいぶんとぶっきらぼうな音色になってしまうんだけど)、長い小説で筋書きを読み進める最中に、ひょっこり現れる美しい比喩のこもった一文を見つけて心打たれる瞬間みたいな、言いようのない誌的感覚にとらわれるわけです。
だから、ノイズってだけで顔をしかめて出て行ったお客さんは勿体無いなぁ、と。鼓膜が痛むくらい爆音でスピーカー鳴らして、頭からっぽにしながら駆け引きの勝負を楽しむ機会なんてそうそうないと思うんだが。3分間のポップミュージックはもちろん最高に大好物だけど、いつ終わるのかわからないマゾヒスティックな快感は生でこそ味わいたい。スピーカーの真ん前で聞いてたからお腹がプルプル震えてた。たぶん40〜60分くらいのノイズ大会。また見たい。




●JACKIE-O MOTHERFUCKER

何よりバンド名がカッコいい四人組(もしかしたら固定じゃないのかしら)。うち一人は女性で、腕毛が濃かったのが何より印象的。メランコリックで静謐⇒ギターノイズで暗黒ドローンでサイケデリック、ていうポストロックの王道な曲展開ばかりですが、この手のバンドの大半が精液飛び交うオナニー大会に陥る中で、このバンドが素晴らしいのは最初のメランコリック部分。別にたいしたメロディーを歌うわけではないんだけど、朴訥さのなかにアメリカ的狂気が垣間見えて、60年代のサイケバンドの名詞が頭のなかを飛び交う状態で見ていました。この手のバンドってやっぱ昔のその辺の人たちに影響を受けて音楽を始めたんですかね?それともアメリカでこういう音楽を始めると必然的にこういう音になってしまうんだろうか。よくわからない。
盛り上がり部分でも工夫が見られて、ドラムはあくまで脇役で、映画音楽のリズムみたいに引き立て役に徹するだけなんですが、そのリズムに逆らったギターカッティングなんかを見せたりと、ここではNW・オルタナ以降の工夫もきちんと見えて、やっぱり現代のバンドなんだなー、と。コーラスも頭悪そうだったし、この手のバンドでは技術が頭3つは抜けてます。トリップ感はかなり強くユラユラしながら聴いてましたが、(満員の客を入れるため)場内禁煙だったのに、メンバーは何本もクサ吸いまくってて、羨ましいな分けてよって子供心に思いました。演奏時間長かったし、できれば座って見たかったですね。音源のほうも昼間に聴くと出かける気分を見事に台無しにしてくれるヘロっぷりで好きです。