kitiku32008-03-10

こういう女どもをひっかけるためにも)ブログをやめる気はさらさらないんだぜってことは強調しておきたい。

今日は9日にあったライブについてちょっと書こうと思います。

幼稚園/小学校での出会いから数えて早20数年、もはや喧嘩をする理由さえ見つけることができなくなった気の置けない5人組(まんまCD帯からの引用)、Gellersがこのたび「ポジティブな」活動休止をするとのことで、とりあえず最後となるライブを吉祥寺Warpにて観てきました。

友人にGellersとお近づきになっている人間がいるので色々と話を聴くんですが、仲がいいとか悪いとか、音楽性の違いとか、トクマルシューゴさんがどんどん大きくなっていくとか、そういうんじゃなくて、当事者以外にはピンと来ない理由で休止と相成ってしまったようで。10年以上続けて、傍目から見たら素晴らしい出来のCDもリリースして、フジロックにも出演して、これから軌道に乗っていくようにしか思えなかったので、人間関係って難しいなっていうか、バンドをやっていればそういうことはザラに経験するし耳にするのかもしれないですけど、なんだか悲しいです。

200人ちょっとしか入らない小屋は予約の時点でほぼ満席だったとのこと。暑苦しさも尋常じゃなく、そのうえ出演するバンドがどれも熱気ムンムンでエモーショナルな演奏をするバンドばかりだったので(ちなみにどれも若いバンドなのにすごく良かったです*1)、前日の睡眠3時間+バイト上がりの身には堪えましたが、会場の連帯感というか、特にGellers出演直前のザワつきっぷりは狭いライブハウスならではで、こんなにファンがいたんだって驚きとともに、みんな好きだったんだって気持ちが伝わって、フクザツでした。

演奏が始まると、客が後ろのほうから雪崩れ込んできて驚き。叫ぶ客、盛り上がる客。バンドの皆さんの表情はまるで何事もなくいつもどおりで、誰も感傷に浸る様子もなくて、でも前に見たときより明らかにテンションは高いし曲も速い。ノイズも大きいしアクションは激しい。客はどんどん叫ぶし、バンドはニヤニヤ笑い、「ちびまる子ちゃんが見たかったからさっき献血に行ってきた」みたいなしょーもない話を挟んで、でもやっぱり演奏はぶっ壊れる一歩手前までボルテージがあがって、よくわからなくなってしまう。

彼らの曲を聴けばわかるけど、轟音をバックに叫ぶ曲もあればビーチボーイズ的コーラスの入った牧歌的な曲もあって、でもどれも夏の終わり、休日の終わりというか、終わりが訪れそうなのをロープでグイグイ引っ張ってなんとか食い止めているような、そんなセンチな雰囲気なので、たぶんここで演奏されている曲は今後、誰にも演奏されなくなってしまうんだろうし、CDもあと2年もすれば廃盤になってしまうだろうし、そんなことを考えていたらステージ右側のトクマルさんはギターを叩きつけて弾くことを放棄し、スティックを拾ってドラムのシンバルをリズムも関係なく力いっぱい叩きつけていた。

バンドをやるっていうことはこういうことなんだって、気がつけば普通になっていた日常が終わっていくのを眺めるのはこういう気分なんだって、強く思わされました。

翌日、彼らのブログを覗いたら、一言だけちょこんと添えてありました。たぶん打ち上げも何もなかったんだと思います。イベントを主催したArtless Noteというバンドの人が「僕らは2年ちょっとだけのファンだし、でもこういう場にまさか自分が関わるとは思ってなかった」みたいなことを言っていて、それを言ったら僕は1年もファンをやってないけど、こういう場に居合わせたことは忘れずにいようと、甘酸っぱく恥ずかしい文章を書かずにいられないような気分になったのでした。おしまい。

*1:特にウーネリーズってバンドは「ガレージロック+日本語ラップマーク・スチュワート」ってかんじの変わった音楽性で凄く良かった